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電子マネーを提供する企業の狙い

電子マネーを提供する企業側は何を目的としているのだろうか。電子マネーの用途は、
大きく言って一通りに分けられる。ひとつは、Suicaやイコカに代表される鉄道乗車券だ。そしてもうひとつは、買物などの支払い、つまり決済手段としての電子マネトだ。

ひとつ目のIC鉄道乗車券の狙いは、コスト削減、駅スペースの効率利用などである。

まずコスト面では、自動改札機のメンテナンスコストの削減がある。それまでの磁気式
では接触部の磨耗などがあったが、IC乗車券では非接触なのでメンテナンスが大幅に削減できる。

また、IC乗車券では、改札機で切符詰まりがなく、そのうえ、定期券入れに入れたま
まで自動改札の通過がスムーズにできるため、混雑緩和に役立つ。さらに、乗車の度に券売機に並ぶ必要がなくなり、券売機を減らした場所を駅ナカ店舗に変えて駅スペースの効率利用をもたらした。

では電子マネー用途のふたつ目の、買物決済手段に電子マネーを利用する狙いは何か。

まずはレジの行列緩和とレジ時間の短縮、そして、つり銭準備の手間削減だ。電子マネーを使えば、コンビニのレジで現金の受渡しをする必要がなくなり、レジ時間
が縮小される。すると、レジ作業コストが削減され、お金の受渡しの間違いもなくなる。つり銭を準備する手間は減り、現金がなければ盗難などのリスクも低減する。

次に、電子マネー提供事業者の個別の背景を見ておこう。

JR東日本は、鉄道利用者数が頭打ちとなり鉄道事業収入のアップは望めない経営環境
にある。そこで「脱・鉄道」としての新規事業が電子マネーSuicaであり、駅ナカの商圏拡大を推進している。ドコモは、ケータイ電話利用者数が飽和しつつある環境で、電話事業としての収入の増加は期待薄である。「脱・電話」の新規事業としてクレジット「iD」は位置づけられる。

一方、クレジット業界の老舗である、たとえばJCBにとっては、電子マネーのクイッ
クペイは、すでにあるクレジットサービスの品揃えの一環といえる。

そして07年は、首祁圏私鉄・バスの共通IC乗車券PASMOが登場した。この取り
組みの狙いも、大局的にはJR東口本のSuicaと類似している。

ところで、電子マネーの今後を考えるときに重要な観点がある。それは電子マネーが単
なる決済手段だけでなく、企業がCRM(カスタマー・リレーションシップーマネジメント)に活用しつつあることだ。






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